続きです。



Playstation版「機動戦士Zガンダム」のエンディングムービーです。

https://www.youtube.com/watch?v=NXzAdk9v61c

「シャアはカミーユが精神崩壊したから、アクシズ落しを決意した」説の論拠になるムービーで
一般には『ありえねーw』と評価されています。



しかし、上記の「戦いの中で人を救う方法」の一連のエピソードを加味したら、
シャアの心境としては『ありえる』範囲になるんじゃないでしょうか。

・クワトロ大尉は勢いで「救う方法を探せ!」と言い放った。
・その言葉がフォウの死後もカミーユに刻まれて、彼なりにどうにかしようとあがいた。
(そもそも、カミーユの説得法が「フォウのイメージ説得相手に押し付ける」だから
 うまくいくはずがないんですけどね……、ハマーンとか)
・ロザミィを撃ち殺すハメになって「都合のいい方法なんてない」と悟る。


クワトロ大尉に笑顔で「気にしてませんよ」と答えたカミーユ
いっそ怒ってくれれば、クワトロ大尉も救われたのかもしれません……。



カミーユはそのまま出撃して、最終的に精神崩壊しました。

PS版のムービーでは、クワトロ大尉が「それを感じてシャアに戻る決意をする」という描写でした。


おそらく、クワトロ大尉にとっては『自分がカミーユが壊れる原因の何割かを作ったから』と感じたんでしょう。
(言葉では「地球に住む人のエゴ」に原因をすりかえる辺りが、シャアっぽいw)

その後の「宇宙に出た人々の感覚うんぬん」の会話は『クワトロとカミーユのいい思い出』だったんじゃないでしょうか。
正味の話、クワトロ大尉にとってカミーユと共感できた思い出はあれくらいしかなかったんでしょう。
(劇場版では、アーガマの艦内で団欒する描写はありましたが)



カミーユ:「あなたはまだやることがあるでしょう!
     この戦争で、戦争で死んでいった人達は、世界が救われると思ったから死んでいったんです。
     僕もあなたを信じますから!」
クワトロ:「君のような若者が命を落として、それで世界が救えると思っているのか!
     新しい時代を創るのは老人ではない!」


最終回の劇場での会話です。
そして、カミーユは(死なないまでも)精神崩壊して、クワトロ大尉は「彼の信じたシャア」に戻る決心をしました。
『カミーユと語った理想』を実現するために、アクシズ落しまでして人類を宇宙に上げようとする。


でも……、きっとカミーユの本当の望みはそこになかった……。
最初のボタンのかけ違いが、カミーユもシャアも追い詰めていきます。

そして『逆襲のシャア』へと続いていった。
(ZZガンダムの最終回で『俺を殴って気を済ませろ!』と言ったブライトと
 ちゃんと殴って、踏ん切りをつけたジュドーとは好対照です)


機動戦士Zガンダムはそんな物語だったのかもしれません。

コメント

nophoto
カズラキー
2019年5月6日22:05

「戦いの中で人を救う方法」こそアクシズショックだったのではないでしょうか?